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コンサルタントのブログ

新年度への期待と不安

令和2年度。新年度が始まりました。

当社も新しい決算期が始まりました。私が会社を創業して18回目の春になります。でも、今年の春はいつもとは少し雰囲気が違います。

2月末頃から日本でも新型コロナウィルスの感染拡大が懸念されるようになり、私の住む北海道は2月28日に緊急事態宣言が出され、自粛生活が始まりました。

その後、各国から日本への渡航制限がなされ、日本も多くの国からの入国ができない状況にあります。札幌の私の事務所の近くの狸小路には、いつもたくさんの外国人が歩いていましたが、今は、日本人を含め往来する人はほとんどいなくなってしまいました。こんな状況が1ヶ月以上も続いています。

多くの業種、とくに観光や飲食に携わる人たちは売上が激減しました。あれほど予約がとれなかったホテルはどこも空室。最近では休業するホテルもでてきました。飲食店はどこもガラガラです。

当社は少数のクライアントに支えられていて、今のところはなんとか凌いでいますが、この状況が長期化すると、クライアントの売上にも影響を与えまると思われるので心配です。

こんな状況でも事業を継続できるアイディアをなんとか絞り出さなければなりません。

下の写真は、この1月の初めにバンコク近郊のシーラチャ・タイガー・ズーに行ったときに撮影したものです。このときは、新型コロナウィルスは中国だけのことだと思っていました。バンコク市内でも大勢の観光客、特に中国人団体観光客がいました。

今は、バンコクはロックダウンの状態にはいっています。タイ航空も今月いっぱい全便休便を決めたとのこと。札幌バンコク便は10月末まで運休だそうです。

航空貨物にも影響がでてきました。
政府は昨日、2030年までの農産物の輸出目標を5兆円にすると発表しました。日本の人口が減少し、海外からの安価な農産物の輸入が増加するなかで、日本の農業を維持するために、海外マーケットをターゲットにすることは重要なことです。しかし、今回のような事態が起きた場合、国際物流が止まってしまい、場合によっては国内への食料の供給にも影響を及ぼすかもしれません。

新型コロナウィルスの流行の収束の見通しはいまだつきませんが、このさき、ワクチンが開発され、収束したとしても、コロナの前に戻ることはないと思います。多くの人たちの価値観が代わり、新たな時代を迎えることになるでしょう。

我々はそれをしっかりと見極める必要があると思います。
パラダイム・シフトの起こった世界で、どのような生き方ができるかを。

新型コロナウィルスへの対応について

新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、連休明けの昨日から数件のイベント等の中止の連絡がありました。組織によっては国内外問わず、当面の出張中止や接待、飲み会の中止を決めたところも複数の取引先から報告されています。

経営者は今ある情報を分析し、この新型コロナウィルスに対する対応について何らかの決断をしなければなりません。さまざまなメディアを通じて集めた情報の真偽を検証し、客観的事実に基づく科学的かつ論理的な判断に加え、取引先がとった対応レベルや社員やその家族の心配なども考慮しながら、経営的なダメージをより少なくする決断が求められます。
私も技術屋のひとりとして、先日の連休は情報を集め、下記の対応を考えました。ただし、これは現時点での対応です。事態が変化すれば当然、対応も変わります。

当社(関係会社を含む)では、公共交通機関を利用しているスタッフには、出勤時間をずらして、より電車や地下鉄が空いている時間帯で事務所に来てもらったり、小さな子供さんのいるスタッフは自宅での仕事(リモートワーク)も選択できるようにしています。状況にもよりますが、家族が罹患してしまう心配があるのに、事務所で定時まで仕事をしなければならない理由はないと考えています。
出張や社外との打ち合わせについては原則的にクライアントの対応に合わせることにします。ただし、不特定多数の人が多く集まる講演会や展示会への出展や訪問は当面の間、見合わせることにします。
参加者が健康(風邪等の症状がないこと)が確認されていて、その参加者の過去の行動がトレースできる人とは通常通りの面会は妨げません。

つまり、基本方針としては、不特定多数の人が高密度で集まる環境に身を置くことはできるだけ避ける。止むを得ない場合はマスク等の対応を徹底する。接待や飲み会も通常通り実施するが、なるべく、お客さんが誰がわかるような常連さんが多い小さなお店でこじんまりとやる。そして、同居の家族の健康も気遣う。といったところが指針となります。もちろん事務所に来るスタッフのみならず、来客も特段、具合が悪くなければ問題ありません。
また、このような対応をとっても業務自体に遅延等の影響はありません。

日本は、中国ほどではないにしても”重度感染国”として、日本人はタイや台湾などいくつかの国から入国制限や混み合う場所に行ってはならないと勧告されています。つまり海外から見れば、日本という国そのものが汚染国であり、日本人と接触することはリスクとして捉えられているのでしょう。現実的に当面、海外出張はできない状況になっています。このような事実により必要以上に不安になると思いますが、それぞれの国で水際作戦を展開しているのですから致し方ないでしょう。

新型コロナウィルスが未知のウィルスと言われていますが、中国での発病から3ヶ月近く経って、各国が研究し、新型コロナウィルスの遺伝子情報や特性についてほぼ解明されているようです。罹患した際の症状もわかってきました。ただワクチンの開発にはしばらく時間がかかるようです。もしかしたら変異の可能性もありますが、敵の情報がわかったのですから、必要以上に恐ることはないと思われます。

日本では既に水際の防御線は突破されているので、市中感染のリスクはいつでもある状況です。いまはなるべく感染しないような生活をするだけではないでしょうか。感染しないような生活とは家から一歩も出ないとかではなく、インフルエンザや通常の風邪対策と同じような対策で十分だと思います。ただ、この1〜2週間は大規模感染の瀬戸際にあるようですからいつもにも増して注意した方が良いでしょう。また、基礎疾患のある人や高齢者は重症化しやすいとのことですのでより注意深くなった方が良いでしょう。

新型コロナウィルスは通常の風邪よりも、インフルエンザと同等程度で他人にうつしやすい特性もあるようです。とはいえ、インフルエンザは一般の医療機関でも判定可能で自宅待機機関も設定されていますが、新型コロナウィルスに関しては、その症状が通常の風邪と区別がつきにくく、すぐに検査ができる体制が整っているわけではありません。通常の風邪の場合は頑張って仕事に出たりする人もいるかもしれませんが、今回は新型コロナによる症状である可能性もあるので、自宅で静養しましょう。

ただし、今後、ウィルスが変異して特性が変わったり、市中に罹患者があふれだし経済活動等に大きな影響が出るようなら対応も変わります。まずは、その「瀬戸際」といわれているこの1〜2週間は静かに様子をみることです。

TS用搾乳ロボット事業成果報告会・見学会を開催

別海町の瀬下牧場で稼働するつなぎ牛舎用搾乳ロボット「ROBOMAX」

 本年度の農林水産省の事業で実施している。TS(タイストール:つなぎ牛舎)用の搾乳ロボットの報道機関向け報告会が本日(2月17日)、JA道東あさひの会議室で開催されました。
 酪農業界からかなり注目されているこのプロジェクトですが、協議会(事業実施主体)としての公式な情報公開は今回がはじめてになります。
 私(当社)も協議会の関係メンバーとして本事業の計画段階から参加しています。今回の報告会でリリースした情報については添付のニュースリリースのとおりです。

 政府は酪農家の規模拡大をすすめてきました。大規模酪農ではフリーストールという群管理型の飼養方法が一般的で、搾乳ロボットもこのフリーストールに対応するものばかりでした。フリーストール対応型の搾乳ロボットは、牛舎内で自由に行動する牛が自らロボットに入るというものです。一方で、つなぎ牛舎型はロボットの方から係留されている牛にアプローチをする形式となっています。

 酪農家の規模拡大が進むなかにあっても、日本の酪農家およそ1万5千軒のうち8割がこのつなぎ牛舎型といわれています。今回、つなぎ牛舎型の搾乳ロボットを導入しうた日本一の生乳生産量を誇る別海町(道東あさひ農協)でも、約7割がつなぎ牛舎です。

 別海町(根釧地区)は、戦後、パイロットファーム計画や新酪農村といった国家プロジェクトとして酪農を振興してきました。この地域の多くの酪農家は戦後、家族で入植し酪農を営んできたという歴史があります。つまり、酪農業は家業でなのです。

 入植から40〜50年の時間が経過し、酪農家も2代目、3代目に家族継承されています。この間、酪農技術は大きく進歩し家族労働あたりの乳牛の飼養頭数も大きく増えました。一方で離農、営農中止となる酪農家も多く、残された酪農家に生乳生産が託され、労働負担がどんどん増加しています。

 つなぎ牛舎経営における労働イノベーションへの期待は大きく、なかでもつなぎ牛舎に対応可能な搾乳ロボットへの期待は大きいものがありました。しかし、世界的な酪農のトレンドは規模拡大ですから、今後、マーケットが縮小すると思われる家族経営、小規模経営のつなぎ牛舎型のロボットを開発しようとする気運は決して高いとはいえません。

 しかし、カナダのケベック州にあるベンチャー企業、Milkomax社は、この課題を解決すべく、つなぎ牛舎に適応可能な搾乳ロボットの開発をすすめてきました。というのも、ケベック州は日本と同じように家族経営、小規模経営の酪農家が多くを占めていたからです。

 私は2年前にこの動きを調査すべく、のちに今回の事業を実施することになる協議会のメンバーである道東あさひ農協バイオマスソリューションズ社とともに同社を訪問した経緯があります。

 Milkomax社では、これまでに120台のロボットを酪農家に導入し、着実に実績を重ねてきました。これを日本の牛舎、乳牛に対応可能かということで本事業を本年度、農林水産省の予算で実施することになりました。

 カナダの一般的な牛舎に比べると日本の牛舎が狭小であり、とくに新酪農村で設置された典型的な牛舎の構造に対応できるかどうかを検証したわけです。また、搾乳ロボットの導入により、酪農家の労働時間や作業負荷がどの程度減少したのかを分析しました。

 協議会メンバーであり実証牧場に指定された瀬下牧場は新酪農村計画によって昭和44年に入植し、牛舎は当時の典型的な構造を残したまま、増改築により増頭対応し、現在は家族労働(牧場主とその妻が主体)で90頭を搾乳しています。

 今回、日本向けに導入したMilkomax社の”ROBOMAX”は、新たに搾乳ユニットとしてイギリスのFULLWOOD社のMerlin2を搭載した最新モデルであり、従来モデルと比べ、静音化、高速化が図られています。そのスペックは1日におよそ60頭の搾乳が可能であり、プログラムによって1日の搾乳回数も設定可能であることから、ほぼ24時間(洗浄、メンテナンスを含む)の運転が可能で、牛に負担をかけずに生産性を高めることが可能とされています。
 カナダにおける実績では、10〜15%の生産向上が図られたとされています。

 導入牧場となった瀬下牧場では昨年の9月に運用を開始し、乳牛のトレーニングを経て、段階的に増頭し、現在では、ほぼフルスペックである60頭の搾乳を行えるようになっています。

 協議会の技術アドバイザリーボードの北海道大学大学院情報科学研研究室の田中孝之氏によれば、”ROBOMAX”の導入により、昨年の11月時点の30頭搾乳時点でも、最も作業負担が大きい搾乳作業にかかる時間は4.9時間から2.8時間に半減しています。また作業負担(消費カロリー)は1463kcalから732kcalに半減していることが確認されました。現在は60頭の搾乳となっているので、およそ9割程度の作業時間、負担の削減が図れているものと推測されます。(現在調査中)
 なお、瀬下牧場の場合、飼養90頭のうち、ロボット搾乳をしているのは60頭であり、残りの30頭は従来のパイプラインでの搾乳作業が残っていますので、搾乳作業そのものがなくなることはありません。
ところで、パイプラインは”ROBOMAX”の併存していますから、万が一、ロボットにトラブルがあった場合にも搾乳は可能です。

 酪農家に限らず、ロボットの導入は、現在、実施している作業をロボットに代替させるのではなく、作業体系や働き方に対する姿勢を根本的に変革することを意識しなければなりません。つまり、ロボットに搾乳させることで空いた時間をどのように活用するか、それは、家族の労働への関与を減少させることを目的とする場合もあれば、さらに増頭し生産性を増加させることかもしれません。
 カナダでの先行事例の調査では、経営主がより経営を俯瞰的に見ることができるようになったことで、牧場内での事後が減少するなど、経営の質の向上もみられたことがわかっています。

 この”ROBOMAX”の国内販売価格は、輸入代理店のピュアライン社が4,600万円(設置費、1年間のメンテナンス料込、消費税別)での販売を予定しています。フリーストール用の搾乳ロボットと比較すると割高に思えますが、搾乳ロボットと移動させるロボットの2台がひとつの製品に装備されていると考えれば、決して高い価格とはいえないのではないでしょうか。
 また、このロボットは牛舎を新築することなく、従来の牛舎に導入することを想定しています。昨今、高騰している牛舎の建築コストを考えれば、より導入もしやすくなるでしょう。なお、導入には既存牛舎の改修等も必要となり、全体的な導入コストは、導入牧場の状況によって相当程度、変わるものと思われます。

 ”ROBOMAX”を導入する意義を考え、導入効果をどのように評価するかなど、それぞれの酪農経営のあり方にあった導入方法があると思われます。そして、何より、酪農家の”働き方”を大きく変える可能性のあるロボットだと思われます。

<つなぎ牛舎ロボットに関する過去の記事>

2020年 しごとはじめ

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。

今年の年末年始休暇は12月28日〜1月5日までの9日間いただきました。毎年のことですが年末は出張や忘年会が立て込み、仕事納めはフラフラの状態で迎えることになります。今年は年末年始とも自宅でのんびりと過ごさせてもらい、すっかり鋭気を養いました。

正月は自宅と事務所の2か所の鎮守様をお参りし、新年の健康や家内安全、事業隆昌などを祈願し、恒例によりおみくじを引いたところ2つの神社とも「大吉」で、正月早々、気分をよくしているところです。

休暇中は仕事からもしばし離れて、読書とNetflixやAmazon Primeの映画やドラマ三昧でした。また、スポーツクラブに行って汗を流したり、気の知れた仲間との新年会など、リフレッシュとしては大満足の休暇でした。

さて、会社の決算は3月なので、今年手掛けているプロジェクトはこれからが追い込み時期なのですが、当社が手掛ける仕事もこの数年で随分、その内容が変化してきました。

当社ではこれまで農業分野に関する「技術」(特に土づくり)に関するコンサルティングがメインでした。顧客も技術の習得や開発を目的にしてお付き合いしている方が多かったのですが、このところ技術は手段として、マーケティングやブランディングなどの明確なアウトプットを求める顧客が多くを占めるようになりました。

これは考えてみれば当然のことで、研究機関や大学でもない限り「技術」そのものがアウトプットとなることはあまりありません。ただ、「技術」に取り組んでいることで”やってる感”は得られます。技術に取り組むにしても、その技術を手段として用いたアウトプットがどうしても必要になるのです。

ここでアウトプットとは、何らかの技術などを用いて、競合と差別化可能な品質だったり、新製品だったりするわけですが、その製品や品質をどうやって売っていくのかという、最終的なブランディングやマーケティングが必要となるわけです。そして最終的には組織の利益につなげていかなければなりません。

一次産業では、これまで明確なアウトプットは求められていませんでした。生産者は生産するのが仕事であって、販売は農協とか漁協とかにお任せしています。農協とか漁協とかは地域の生産物を販売し、売上をプールしてそこから管理経費を控除しています。悪天候などの場合も共済等で補填される仕組みがあります。

そんな環境もあって目的やアウトプットを意識しない状況が作られたんですね。でも、生産の現場では何らかの努力をしなければならない。それが技術の勉強会であって、学んだこと、すなわちインプットはあるけどアウトプットがない状況を生んでいるのだと思います。

ところが、この数年、一次産業もグローバルな市場に巻き込まれてきました。世界中で貿易が自由化され、海外の安い農産物が輸入されるようになりました。一方で政府は農林水産物の輸出に力を入れ、品質に基づいたブランドが求められるようになっています。

ブランディングでは、隣接する地域の同様の産品との差別化が求められるようになり、その成果として、より高値で販売されたり、高い評価が得ることが求められるようになっています。

内部的な変化も起きています。地域の担い手の減少による生産の持続可能性が危ぶまれています。減少する担い手を増やすのはほぼ不可能ということなら、地域経済にも大きな影響があるでしょう。自動化やロボットの導入も検討すべきでしょう。

私は現在、JAなどのクライアントと組んで、新たな農産物の産地づくりや、地域の主要な産業として農業の生産性を維持するために、自動化やロボット化などの事業を行なってます。また、引き続き、GIサポートデスクで農産物のブランディングの支援なども行なっています。

2019年もありがとうございました。

当社の2019年の営業は12月27日(金)で終了します。2020年は1月6日(月)からスタートします。2019年もたいへんお世話になり、ありがとうございました。

起業して小さな会社を興し、小さく長く経営していると当然ながら自分自身も歳を重ねていきます。経験から自分の知識や教養の幅も増え、これまでとは違ったものの見方ができるようになります。当然、クライアントへの提案の質や内容も変わってきます。より深く、本質的な提案に近づけていると思っています。

何かの事象を見たときに、経験や知識、教養の背景が異なれば、感じ方も変わります。感じ方によって考え方も変わります。考え方が変われば、仮説も変わるので提案の内容も当然ながら変化します。たぶん良い方に変わっています。

これまでに出会った人の考え方からも強く影響を受けています。読んだ本、映画、旅行、仕事・・・さまざまな知的な刺激から自分自身の感性が育っていきます。これは歳を重ねるほどに感じることです。

歳をとっても「感性」は育ちます。若いころは直感的なセンスに頼っていたものが、熟慮された深みのある感性に育つのです。

一方で、その感性は誰にでも理解されるものではありません。一部の同じ種類の人とだけ共有されるものだと思います。そういう人と仕事ができれば、大きな成果を残すことができると信じています。

今年の素晴らしい出会いに感謝し、そして来年もその方たちと充実した仕事ができますように。

大好きな人と良い年をお迎えください。

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