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コンサルタントのブログ

農産物の輸出振興

今日から12月です。札幌は雪の朝を迎えました。
そろそろ根雪になって、来年の4月ぐらいまでは雪の中での暮らしです。冬の間は日長時間が短く、ただでさえSTAY HOME な日常なのですが、今年は例のコロナの影響でますます自宅時間が増えそうです。
来年の春、雪が溶けることにはいつもの春に戻っていてもらいたいと切に願うばかりです。

さて、農産物の輸出に関しては以前から重要政策のひとつでしたが、今朝のニュースではさらに具体的な品目と輸出の数値目標(金額)が示されました。今後、ますます日本の農産品を輸出しようという気運が高まるものと思われます。

農産物の生産業、すなわち農業が国の安全保障上もっとも重要な産業であることは言うまでもありません。製造業もサービス業で活躍する人も、しっかりと食べることができないと仕事はできません。また、食品加工業やレストラン、観光業などは食品と大きな関わりを持っています。

日本の人口減少と高齢化は食の消費を大きく下げることになります。これに加え、今年は新型コロナの感染拡大予防で非常事態宣言が発出され、飲食店やホテルの営業が制限されています。人々のマインドも外食を楽しむような雰囲気はあまりありません。課題となっていた食品ロスもホテルの宴会が激減したことで大幅に減少したことでしょう。今年は農産物の消費がかつてないほど減少していると思われ、在庫過剰になっているといいます。

日本人の農産物需要が減少したことに加え、観光等で訪日する外国人もほぼゼロになっています。農産物の在庫がだぶつくと価格が下落するので農家経済にも大きな影響を与える結果となります。あらたな市場として海外というのは当然の成り行きといえます。

しかし、輸出のためには輸送に時間とお金がかかります。ただでさえ国際価格よりも高い日本の農産物を海外で買ってもらうためには、綿密な戦略が必要になると思われます。とくに輸出に適した農産物というのは、示された重点品目に頼らざるを得ないでしょう。

以前、海外のマーケットで日本の牛肉が競合しているのを見聞きしたことがあります。産地、産品の特性を理解し、強く訴求するための「ブランディング」がここでも必要になります。

産地戦略をどう考えるか、グローバルに、そして長期的に考える必要があると思います。

農業従事者の激減

農家戸数は調査のたびに減少しています。
北海道では5年前の前回調査からおよそ17%減少したとのことです。

国が経済的に発展すれば、2次産業である製造業を経て、サービス業などの3次産業に構造がシフトしていきます。とはいえ、製造業にも食品加工業があり、3次産業には飲食や観光など地域の「食」を基盤として成り立っている事業者が多数存在しています。まさに農商工連携、6次産業化なのです。

一方、コロナ禍にあって食のサプライチェーンで最下流に位置しているレストランなどの飲食や観光が大きなダメージを受けていることで農産物の需要が低迷していて、過剰在庫で価格も下落しています。これから農家の収益に与える影響も大きくなり、農業はますます儲からない事業になり離農する人も増えるでしょう。

それにしても5年間で20%もの農業者の減少は深刻な状況ですが、統計などを良く読み込んでみると法人による農業経営体は増加して、その規模も拡大していることがわかります。農業者にカウントされない、雇用されている農業者が増えているものと思われます。もはや農業は農”家”という家業ではなくったということでしょう。

農業が法人化する。すなわち企業が農業をやることになると、ただつくるだけではなく企画や営業などの家業にはなかった仕事が増えます。企画や営業は売り上げや利益を増やすためにあり、そこには戦略が必要になります。

他産地や隣の生産者よりも優位になること。すなわち「差別化」が求められるようになるでしょう。美味しい、外観が美しい、農業に取り組む姿勢が共感できる。など、さまざまな切り口でマーケットから高い評価を得る必要があります。

企画や営業などはこれまでにはあまり必要とされなかった機能です。今後、この機能を強化することが農業経営にはますます求められるでしょう。とくに、地域の農業の振興に強い影響力を持つ農協や役場にはそのセンスを持ち合わせているでしょうか?

コロナ禍の長いトンネルを抜け得た先の景色は?

新型コロナウィルスの第3波となる感染拡大が日本を襲っています。これまでの政府主導の自粛要請ではなく、個人の判断で感染拡大を防止せざるを得ない状況にあって、この2、3日は街を歩く人たちも少なくなっているような気がしますが、報道によれば各地の空港などは大混雑しているとか。

今日は3連休の中日ですが、新型コロナウィルスを意識しながらどのように行動するか多くの人たちが考えていると思います。

コロナ禍にあっては、もっともダメージを受けているといわれている飲食や観光業界だけでなく、我々のような一般的なビジネスを営んでいる者でも営業活動が制限されています。飲食や観光は関連する業界の裾野が広く、GOTOのトラベルもイートも実はレストランやホテル、鉄道などの実需産業だけでなく、大きな経済効果があったと思われます。

飲食や観光などは「人が移動すること」が前提になっています。人の移動の総量が多ければ多いほど経済は大きくなると思われます。つまり、経済は人が移動しないとまわらないともいえます。

コロナ禍で、ぼくも例外ではなく海外出張はもちろん国内出張も大幅に減少しています。来客もあまりなくなりました。お客様が来られて食事に行くこともほとんどなっくなりました。

このような冷え切った状況をなんとかしようというのが、GOTO政策でしたが、感染拡大の原因と指摘されたことで、週明けには一気に縮小されることと思います。

「地域を出ることなく、限られた人と小さなコミュニティで静かに暮す。」ことが今後、長く求められるようになるように思います。とういうか、それを基軸とした新たな価値観がつくられていくことになるでしょう。

コロナ禍という、いつ終わるかわからない長い長いトンネルを抜けた先の景色はこれまでとは大きく違うものになっているはずです。決してもとには戻らないのではないかと思っています。いわゆる”パラダイム・シフト”です。

パラダイム・シフトとは、「その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう。」(wikipedia)

これまでの時代で当然のことと考えられていた認識とは、端的にいえば、「頑張って働き、経済成長に寄与し、たくさん稼いで、いっぱい買い物をし、大量に消費することで、さらに経済をまわそう。」というものでした。これは戦後の経済成長期からバブル崩壊まで続きました。

実はこのパラダイムはバブル崩壊の1990年代前半にすでに終了していたのにも関わらず、過去の成功体験から暮らし方や生き方を大きく転換することはできずに30年間という成長しない期間をつくってしまいました。

これは、現在、50歳以上の人に深く刻まれた価値観です。(ぼくもしっかり該当しています。)彼ら時代の成長を牽引した、テレビや新聞などのオールドメディアと大手広告代理店による画一的な世論誘導は、インターネットの普及によるSNSなどの新たなメディアによって塗り替えらようとしています。

実は、GOTO政策なども古い価値観での最適解であり、多くの人を一度に動かすことをオールド・メディアを使って世論形成しようとしたものです。SNSが普及する以前であれば政治がリードし、メディアが従うことでやり切っていたと思いますが、いまはSNSによる多様な情報があふれるなか、民意に配慮して何も決められない状況になっています。

先のアメリカの大統領選挙を見れば、SNSと大手のオールドメディア、政治の関係が見えるでしょう。

さて、そんな長いトンネルを抜けた先で、わたしたちはどのような価値観で暮らし、生きていくべきでしょうか?

その地域に暮らす人たちが、静かに、そして幸せに暮らし、満足感を得ていることが共感されるようになるでしょう。消費が称賛される都会的で華やかな暮らしよりも、地域に根ざした暮らしを確立し、他人の評価を気にすることなく自己肯定感の高い暮らしが共感されることになるでしょう。

そのような新たな価値観の仮説をたてたうえで、成り立つビジネスを再構築することになるでしょう。もしかしたら、いよいよ地方の時代になるかもしれません。

コロナ禍での営業やプロモーション

新型コロナウィルスの第2波が全国的に広がっています。
今日、発表された4〜6月期のGDPの速報値は年率換算で27.8%減だそうで、ある程度、予想はしていたものの、2009年のリーマンショックをはるかに上回る減少で戦後最悪を更新しました。現実的な数字をつきつけられると、これが現実なんだと目が覚める思いがします。

7月以降も第2波の到来による影響もあり、経済への影響は引き続き大きいのは明白で、政府や自治体の対応などはさておき、ソーシャル・ディスタンシングな世の中では、当面は人と直接会って話をすることがはばかれます。

新型コロナウィルスの感染がいつ終息するのかという議論も寂しく、おそらくは「もう元には戻らない」という前提で世の中の変化を観察すべきだと思います。

明らかに、かつ、突然、かつ世界的に人々の行動が「変化」したわけで、これまでの常識とか、慣習とかは全く通用しないでしょう。前例は役に立たなくなったわけで、後世になれば、2020年がパラダイム・シフトだった。と言われるのでしょう。

さて、人と気軽に会えない時代、人が集まれない時代になって、しばらくはこの状況が続くという前提で、営業やプロモーションのあり方も大きく変化するでしょう。時代ですから、その「場」を提供しているレストランやホテルの宴会場などの売上は長期的に大きく低下するでしょう。

人と人をつなぐ場はリアルな場からオンラインにシフトしています。Webミーティング、あるいはオンライン飲み会などを試してみるものの、初めてお会いする人といきなりディスプレイ越しに挨拶するのにも慣れず、(わたし的には)普及にはしばらく時間がかかりそうです。

さて、そんな時代でのプロモーションですが、従来からある新聞や雑誌、テレビ、ラジオといった媒体を使うのは、いよいよ難しくなるでしょう。そうなるとインターネットを活用した媒体になります。しかし、低コストで参入障壁が少ないため、だれでも参入が可能になります。

自社サイトでのプロモーションでの運用が難しければ、インターネットを使って売買をする既存のプラットフォーム、たとえばAmazonとか楽天、Yahoo! Shopping などを活用することもできるでしょう。

とはいえ、いわゆる「マスメディア」ではないため、インターネット上に数多ある情報から自分の製品やサービスにたどり着いてもらうには相当の戦略が必要になります。いわゆる「Webマーケティング」の能力です。さまざまなインターネットメディアを複合的に利用し、本当に必要としているお客様に情報を届けるために、今何をすべきか、得られた情報をどう分析するかがポイントになるでしょう。

なにより、商品力がなければ話になりません。他の違いや個性、ストーリーなどが商品力を高めていきます。つまり、ブランディングも同時に行うことが重要です。

農産物のブランドづくりを考える。

かつて農産物の販売というと、農協で集めて、市場へまとめて出荷するのが一般的でしたが、最近は生産者(団体)自らが販売に取り組むことが増えてきました。

農産物に限らず、何か商品を販売しようとすると、まずはマーケティング活動を行うはずです。商品(農産物)を買ってくれるお客さんはどこにいて、どこで買ってくれるのかということを調査するはずです。

その前に、商品の特性を明確にして、他の農産物の違いをお客さんに理解してもらおうとするはずです。これが「差別化」ですね。

その特性の「差別化」要素を決めたら次に商品を選んでもらうために、わかりやすい名称を考えると思います。

例えば、「大根」は産品の一般的名称であり、名称からほとんどの人がそれが「大根」であることを認知します。しかし、「大根」だけでは、産地や味やどんな料理に使えば良いのかなど特性を推測することができません。

名称は、お客さんにとってその商品を選択するのにわかりやすい目印となりますから、奇をてらうような名称を使わずに、農産物の場合は、「地名 + 産品名」とするのが無難です。

名称にこだわりを持つあまり、名称からどんな産品なのかわからないことも時々あります。大根なのか、タマネギなのか名称からは何も想像できないものは、目印としての機能を持ちません。

そのような目印としてわかりにくい名称をつけてはいけないということはありませんが、お客さんに知ってもらうためには、広告などに多額のコストがかかります。

生産者や生産者団体は、マーケティング戦略などは考えず、自己満足な名称を考えがちです。販売をしたことがないから名称をつけた段階で売った気になって終了するのです。

名称を考える場合には、あくまでも顧客目線であることが求められます。お客さんにとって、その名称から何を想像するかをよく考えてみてください。

ところで「地名+産品名」は非常にわかりやすいのですが、その名称を個人が独占することは難しいと思います。商標登録ができないのです。

しかし、「地名+産品名」であっても、農協や地域の業界団体などが商標を出願する場合は特別に認められる場合があります。それが「地域団体商標」です。

しっかりとマーケティングして、販売実績が伴ってくると商品名称には特性の信頼が蓄積していきます。特性に対する期待度が高まり、使用し(食べ)てみて、期待を裏切らなけば、リピートしてくれますし、お客さん自身が他のお客さんを紹介してくれることもあるでしょう。

次に、その商品の中で一部の生産者や一定の基準を設けて、特別な品質のものを差別化して売ろうとします。その場合は、名称に「特選」とか、「プレミアム」とか、「○○農場産」というような名称をプラスすることで、カテゴリブランドにすることもできます。

いずれにしても、農産物のブランディングは「戦略」が必要だし、多くの場合、地域の利害関係者の合意も必要です。ひとりよがりのブランディングは後々多くの問題を残すことになりかねないので注意が必要です。