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2020年を振り返る

あらためて振り返るまでもなく、2020年という年は後年に深く記憶される年になるでしょう。多くの人たちにとって忘れられない1年になるはずです。

当社は先週の金曜日を本年の事務所の最終日としています。明日、月曜日と火曜日はスタッフは在宅勤務での対応となります。
この在宅勤務というのも今年の春ごろからの対応です。

新型コロナウィルスが中国に武漢を起点にこの世に放たれてから1年がたちました。すでに南極大陸を含む、地球上のすべての大陸で感染が確認されています

日本で騒がれるようになって、そろそろ10ヶ月。今は第3波の感染拡大の渦中にあります。連日、更新される1日あたり最多の感染者数。それを大々的に報じるメディア、街を歩くすべての人がマスクで顔を覆い、家に引きこもる毎日。年末だというのに忘年会もなく、飲食店にも休業要請が出され、お店を開けてもお客さんも来ない日々。これが世界中で同時に起こっています。

1年前にこんな文章を書いていたら、映画か小説の話と笑い飛ばされていたはずなのに。100年に一度くらいの状況を僕たちはいま経験しているのです。

昨年の12月のカレンダーを見返してみるとクライアントとのスペインへの出張、中国、四国、九州への長期間の出張がありました。そして、昨年度はつなぎ牛舎用の搾乳ロボットを日本に試験導入する農林水産省のプロジェクトに参加していて、今ごろは搾乳ロボットを乳牛に慣れさせるためのトレーニングを実施していました。年度末までの報告書のとりまとめに向けて、関係者との打合せで頻繁に道東方面に出張していました。いつもの年の瀬以上にアクティブに動き回っていて、次のプロジェクトへの足がかりになるはずでした。

今年1月にはバンコクに出張していましたが、観光地には大勢の外国人、得に中国人の団体旅行客がいて、夜市などは人混みで歩けないほどでした。(思えば、当時、帰国してから光熱がつづきました。もしかしたらこの時点で感染していたのかも・・・)

1月の末ぐらいから中国での新型コロナウィルスの感染者が激増しているとの報道があり、1月末に北海道内で1例目となる感染者が確認され、2月の中頃には札幌雪まつりでの感染者が報告されるなど、北海道内で感染者が増加しはじめ2月末には北海道が独自の緊急事態宣言を出すまでになりました。

3月に入り東京をはじめ全国各地で感染者が確認されヨーロッパ全域での感染拡大もあり、3月12日にはWHOがパンデミックを宣言し、4月7日には日本政府が緊急事態宣言を発表しました。このあたりから、日本中で人やモノ、お金の動きがにぶくなり経済への影響が深刻化しはじめます。

人の移動などを制限したためえ、観光業や飲食店などが目に見えて大きな打撃を受けました。観光や飲食業だけでなく当社を含め多くの企業で売り上げが激減しましたが。政府の給付金や特別貸付があったため、何とか踏ん張っていますが、家賃や人件費などの固定費があるので、このまま経済が回復しなければ、年明けには経営破たんする中小企業や飲食店が多数となるでしょう。

経済だけでなく、人との物理的距離が大きくなったことで、精神的な距離も離れているように思います。東日本大震災で合言葉になっていた「絆」が維持できなくなりました。結婚や出産の件数も激減しているそうです。マスクで口元が見えないので小さな子どもなどは、表情から相手の感情を読み取ることができなくなっているといいます。

こうした、「人と人との距離」の影響は、年明けに起こるだろう、経済的な打撃以上に数年後に社会に大きな混乱を生じさせることと思います。これは日本だけでなく、世界中で起きていることなのです。

地球全体が大きな閉塞感につつまれている2020年はまもなく終わりますが、来年に明るい兆しがみえているわけではありません。おそらく、来年はもっと厳しい状況になっていると思います。

さて、世の中状況、すなわち外部環境は近年まれにみるほど最悪な状況です。回復の見込みは立たず、回復するにしても数年はかかると思うし、回復後のアフターコロナの世界がビフォーコロナと同じだとは思えません。

戦後の復興から高度成長期を経て、その後の停滞の30年間を含め、75年間の価値観が大きく変わるのではないかと思います。そもそもバブルがはじけた1990年頃には価値の源泉は変わっていたはずなのに、戦後の高度成長の成功体験がパラダイム・シフトを30年間起動させなかったとも言えます。今回のコロナで強制的なパラダイム・シフトとなるでしょう。

新しい価値観の中で生まれるこれから生まれるであろう新しいシステムに自分の人生や会社の経営をどうやって適合させるかが鍵になります。

地域づくりとか農業という観点でいえば、地域に賦存する価値、そこで生産される産品や体験の価値を認識し、丁寧に顧客の持つ時間の上に乗せていくような活動が必要になると思います。おそらく、価値を顧客に認知してもらうには、相当長い時間がかかるでしょう。

てっとり早くではなく、丁寧に。これが次世代の仕事のやり方になるように思います。