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コロナとの共存の時代に、これからの農業はどう変わるのか?

5月25日の緊急事態宣言の解除から、まもなく1ヶ月が経とうとしています。6月19日には北海道内の都市間、他都府県からの移動自粛要請も解除され、人の動きも戻ってきました。

私もこの数週間、友人などと仕事帰りに食事に行く機会も何度かありましたが、コロナの前のような人出はないように思えます。飲食店の経営者に話を聞くと今後も以前のように人が戻ってくることはなく、良くても7割まで回復するかどうかと予想しているとのことです。

特に会社関係の接待などが禁止になり、領収書をもらって飲食する機会は激減しています。和牛や寿司店など高級食材を使うお店は苦戦しているようです。一方、高級食材を使うお店でも、予約が取れないような超人気店は人は戻っているとの情報もあり、業態やターゲット顧客の属性によって営業の明暗は分かれているようです。

また、高級食材以外では、一般家庭ではなかなか使わないような、ハーブやミニ野菜、ベビーリーフなどの生産者は厳しい状況にあるようです。このような野菜はレストランや宴会場での根強い需要があったのですが、緊急事態宣言からの営業自粛要請で受注がなくなったのです。

レストランで用いるような「おしゃれ野菜」は播種から45〜60日で収穫、出荷される作物が多く、レストランの要望を聞いて、2〜3ヶ月前から準備を始めます。したがって、いますぐ欲しいという需要には対応できません。

北海道で大規模に生産されているコムギやビート、バイレショなどは、例年と変わりなく播種を終え、管理の時期に入っています。今のところ特に大きな影響はないとのことですが、JA等が主催する農機具等の展示会が中止になったことで、機械や資材の買い控えはあるそうなので、関連事業者は苦労していると思います。

また、農業機械の海外での出荷がロックダウン等で停止されていることもあり、事業等で導入予定だった機械が年度内に納品できずにキャンセルされる例もあるとか。大規模農業でも水面下での影響はあるようです。

食品の家庭需要が増えている一方で、外食産業向けの出荷が大きく減少しています。高級食材や外食に特化した野菜などの需要は停滞し、今後もしばらくはこの傾向は変わらないと推測されます。

農産物の流通面から見ると、需要が大幅に減ってだぶついた在庫は、インターネットでの通信販売などで売られるようになりました。消費者も外出が制限されたことで、スーパーなどの店頭での購買からネットでの購入への移行が進みました。今後もこの傾向は続き、拡大していくものと思われます。

農産物の流通に新たに参入する企業も増えると思います。生産者と消費者の架け橋となって、農産物に新たな価値を付与すること新規の顧客を獲得する事例もあると思います。

飲食店を食材調達の面からトータルでサポートする企業も出てくるでしょう。飲食店と産地との結びつきもこれまで以上に強固になると思われます。

さまざまな企業が農産物の生産や流通に関与するようになり、多様性が生まれ、新たなビジネスが展開されるようになるでしょう。そうすると当然、競争が生まれ優れた品質や強いブランド力を持つ産品や流通が生き残る時代になると思います。