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種苗法改正について

新型コロナウィルスによる外出自粛等が続くなか、少し前に種苗法改正についての議論がSNS等を中心に盛り上がっています。この種苗法という法律の詳細については、解説しているWebサイトがたくさんあるので、それらをご覧ください。

農作物は食料だけでなく食品加工原料、燃料、飼料、工芸品の材料など、多様な目的のために生産されています。そしてそれらの目的に合致するよう長い年月をかけて品種改良されています。品種改良は優秀な形質を有する個体の選抜や、それら交雑によって少しづつ改良されたものです。使用する目的に合致する改良もあれば、病気に強く、効率的に作りやすいようにする改良もあります。

在来種と言われているものにしても、人が利用する際により良い形質を選抜しているので、長い年月をかけて育種されてきたと言えるので、野生の、と言うか、本来の形質ではなくなっていると思われます。

職業として新たな品種を作り出す人のことを育種家と言います。何百種類の品種を手元におき、それらを交雑で組み合わせて優良が品種を選抜しています。意図的に受粉させて種をつくらせ、それらをまた植えて特性をチェックします。そのような作業を繰り返し目的の形質を有する品種ができたら、今度は配布するために種を増やします。数ヶ月で種を増やせるものもあれば、数年単位かかるものもあります。育種家はこのように膨大な時間と労力をかけてひとつの品種を作り上げていくのです。

ちなみに近年では、これらの時間と労力を削減するために、遺伝子組み換え技術やクローン技術といったバイオテクノロジーが使われる場合があります。遺伝子組換え作物については日本では作付けに厳しい制限があります。

種子が取れる作物の場合、育種家は雄性不稔と言う花粉を作らない操作をして、採種できないようにしています。育種家は投資を回収するために、農家に毎年、種を買ってもらわなければならないので、当然のことです。

今、作物として作られている植物には、それを育種した人がいます。育種家はそれぞれ専門性を持っています。特にグローバルに栽培されているタマネギのような野菜はそのマーケットが世界になります。日本の育種家が作出した野菜を世界中で栽培される夢もあります。

逆に育種に膨大な予算をかけて、優秀な育種家を雇用し世界中に販売するグローバル企業もあるでしょう。農家がどんな種を使うかはマーケットを見て農家が選択することです。マーケットは地域であっても種苗はビジネスであり市場はグローバルなのです。

僕は食卓を囲む消費者にとっても、それを栽培する農家にとっても良い品種を日本で作り出して欲しいと思います。そして、育種家をしっかりと保護して、国際的に競争力がある品種としてグローバル市場に挑戦してもらいたいと思います。