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サモアで考えた農業

7月の終わりに新しい事業の先行調査のためにサモア独立国に行ってきました。
サモアは南太平洋に浮かぶ人口約20万人の島国です。日本からの直行便はなく、今回はニュージーランドのオークランドを経由して行ってきました。

外務省の資料によれば、サモアの主産業は農業と沿岸漁業と言われています。ほとんどの人が農業に従事していて、タロイモなどを栽培して”自給的”に暮らしています。また、多くの国民がニュージーランドやオーストラリアで働き、母国に送金しているそうで、国内の膨大な赤字を穴埋めしているということです。

というもの、小さな国で資源も少なく、輸出産品も少ないこの国は多くの物品を輸入に頼らざるを得ず、食料自給率はほぼ0%ということです。でも、自給的農業で一定の栄養自給力は確保しています。
どういうことでしょうか?

途上国を旅して思うのが、農業人口が多いことです。いや、業としての農業というよりは、自分たちが食べていくために農産物を生産し、余剰分をマーケットに出して貨幣や他の物品と交換しています。

先進国目線だと、農業は当然のように換金を目的の業としての経営になります。でも、これは買い手がいるから成り立つのであって、国民の多くが自給的な農業を営んでいれば、市場が成立しないので作ったものは売れません。

しかし、そんな途上国でも経済が発展していくと農業以外の産業で従事する人が増えてきます。そのような人は食べ物を購入するため、そこで初めて市場が成立します。その規模が拡大すればするほど農業は業としての営みになり、より生産性を高めるために体型的な農業に進化していくのです。
逆に言えば、自給的農業で十分だと感じているところに生産性の向上などは必要ありません。
確かにサモアでは肥料はほとんど流通していないようでした。

近年、サモアは観光業に力を入れ始めています。ハワイやグアムと似たような気候で美しい自然、観光資源があります。観光業が栄えれば、そこに従事する人も増えるし、観光客も食事にお金を使ってくれるようになり、農業の生産性を高めていかなければならなくなります。

これまで国内でほとんど生産されていなかった野菜や畜産物も生産していくことになるでしょう。そこではじめて体系的かつ、効率的な農業が求められることになります。

先進国と言われる日本に生まれ、そこでの価値観が常識化しているわれわれが、その価値観が正しいものであると信じ込んで、相手に押し付けることは、相手にとっては大きな迷惑となります。

価値観は多様であり、組織によって異なるのが当たり前です。組織も小さな家族の単位から、町内会、会社などの職場、地域、国などによって様々な価値観が存在します。多様性を許容し、柔軟に対応できるようにしなければなりません。