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将来のために、今、我慢できますか?

今日、世界的に著名な公衆衛生の先生の講演を聞きました。
これまで「なんでかな〜」と思っていたことがスッと解決しました。言われてみればその通りのことなんですが、実際にはなかなか実践しないことです。

それは、「将来の利益のために、今、何かを我慢できますか?」ってことなんですが、公衆衛生的には次のような ”我慢” を今、実践すればよいそうです。

① 禁煙する
② 健康な食事をする。
③ 運動をする。
④ お酒を飲み過ぎない。
⑤ 良質な睡眠をとる。

ひとつひとつのことはなんてことはないでしょう。みんな知っていることです。
全部できていない人はむしろ少ないと思います。そのひとつひとつが既にできている人、習慣化している人であれば苦痛にも我慢にもならないし、それ実施した効果(報酬)を感じているでしょう。

でも、5つ全てを実践している人はどのぐらいいるでしょうか?

私も全て心がけてはいますが、5つ全部が完璧にできているかと問われれば、「できてます!」とは大声で言えません。

実は、この5つをしっかりと実践すれば、病気の9割は予防できるそうです。

では、なぜ、実践することができないのか?

それは、実施した時(我慢)にすぐ成果(報酬)が得られないからなんです。
例えば、今、苦しい運動をしても、あるいは、今、どうしても食べたいラーメンを我慢したとしても、直ちに痩せるわけではないし、健康診断で改善を指摘されている血糖値も血圧も下がりません。これらを数週間継続して実施して初めてちょっとだけ痩せるという成果(報酬)を得ることができます。

喫煙が有害であることをほとんどの人が知っているのに、やめれないのは、今、禁煙してもすぐに肺がんの発生リスクが減少するわけではないからです。もし、今、タバコを吸って、すぐに肺がんになって死んでしまうならば、誰もタバコを吸う人はいないでしょう。

このように、「行動選択のリスクと報酬の間に時間がある」と、なかなか実践できないそうです。

すぐに行動させようとして、脅しや悲しみというった感情に訴える手法が多く見られますが、これらはほとんど意味がないどころか、悲しみいう感情は逆に行動を阻害することになるそうです。まあ、やけっぱちになるんですね。

具体的に言えば、欧米ではタバコの害を訴えるために真っ黒になった肺の写真なんかをタバコのパッケージに印刷していますが、これは全く効果がないそうです。ずっと先の将来リスクのために、今の快楽は捨てないのですね。

運転免許更新の際に見せられる交通事故の写真や交通事故を起こした人の末路や被害にあった人の悲しみなんかも実はあまり効果がないそうです。

感情に訴えるならば、脅しや悲しみをアピールするよりも、希望や感謝の方がずっと響くんですね。何か行動を起こして家族に喜ばれることを想像したり、無限に広がる可能性が垣間見得たりすることが大事なんだそうです。

それで、この話が、私の仕事(農業コンサルティング)にどう関係しているのかというと、

「土づくり」はとっても大事なのはわかっているけれど、すぐに品質や収量があがって収入が得られるわけではないので、そのうちやります。

といやつです。

「喫煙」は体に悪いのは知っているけど、すぐに肺がんになるわけではないし、そのうちタバコやめます。

ほら、どうですか?
一緒じゃないですか!?

だから、「土づくり」の動機は、子供(もしかしたら孫)にとても感謝されているというイメージを強く持つのが良いのだと思います。すでにみなさんは「土作り」が大事なこと、将来に利益をもたらすことを知っているのですから。