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腸内環境は土壌環境?

9月の半ばにひいた風邪をこじらせてしまい、およそ3週間、ようやく体調が回復してきました。9年前からジム通いをはじめて基礎体力がついたので、風邪をひくこともほとんどありませんでしたが、今回はなかなか治らずに辛い思いをしました。免疫力の低下は加齢のせいなのかとも思いましたが、ひとつ気になることがありました。

それは、具合の悪い中ではじめて受けた「大腸内視鏡検査」、いわゆる”大腸カメラ”です。

私も多くの自営業者にありがちな「健康診断をしない人」を図らずも決め込んでいましたが、高齢となった両親が病気になり、既に亡くなった祖父や血縁者の病歴を辿ってみると、癌や糖尿病、心筋梗塞などが多く、血統的に私は立派な生活習慣病予備軍であることがわかりました。まずは、血液検査からと思い、事務所近くのクリニックを受診してみると、健康不安は的中しました。中性脂肪、悪玉コレステロール、血糖値、尿酸値などが軒並み高い数値を示しており、ただちに生活習慣を見直すよう医師に言われました。ついでに、内臓のエコー検査をしてみると脂肪肝と指摘され、胃カメラと大腸カメラによる検査もすることになりました。検査の結果、胃も大腸も問題なし。(ピロリ菌もいませんでした。)ほっとしましたが、大腸カメラ受診の際にお腹のなかを空っぽにしたのが免疫力には悪かったかもしれません。

大腸カメラを受診する際には、前日からささやかな検査食をとることになります。そして前日の夜から下剤を飲み、便を柔らかくしてから、検査当日には1.8リットルほどのスポーツドリンクのような下剤をグビグビ飲んで、一気に排泄することになります。数時間かけてお腹の中を空っぽにすることで、腸の中の様子をクリアな状態でカメラで撮影するのです。

普段、規則正しく三度三度の食事をとっているときには気にすることもないのですが、腸の中では食べ物が消化されながらゆっくりと移動しています。消化酵素によって分解され栄養素は腸壁から吸収されます。さらに腸内にはさまざまな細菌が住み着いていて、”菌相”を形成しているといいます。その細菌の種類は500〜1,000、総数は500兆から1,000兆ともいわれています。これらの菌が腸内でさまざまな代謝に関与し私の身体に栄養や免疫力を与えてくれているのです。そして様々な菌が閉鎖的な環境の中で生態系を形成しています。この生態系とともに私は生きている、まさに自分の身体の中にある小宇宙です。

大腸カメラ受診の際の下剤は、その小宇宙を一瞬にして破壊し消滅させてしまいます。

下剤を飲んでお腹が空っぽになるとなんだか寒々と感じます。それは腸内で活動する菌の発酵熱を失ったからなのですね。

そんなわけで、風邪をひいている最中に大腸カメラをやると免疫力が著しく低下し、風邪をこじらせるということを体験したのでした。風邪をひいたときにはしっかりと温かいものをたべて身体をあたためると良いというは、自分の身体というよりも腸内細菌にとって大事なことだとわかりました。

大腸検査のあと、腸内細菌のことを考えて食事をするようにし、ヨーグルトや乳酸菌飲料を積極的にとって腸内細菌を再構築しているところです。

さて、人にとって腸内が小宇宙であり、その宇宙から栄養分や水分などを吸収しているということを植物に置き換えて考えてみましょう。

腸は植物にとっては根にあたる器官です。動物は食べ物を選び腸内に取り入れることができますが、植物は根を張った場所から動くことができず、その土壌にある栄養分だけで生きていかなければなりません。そう考えると「土づくり」というのはとても大事なことだとわかります。化学肥料で与えられる栄養分だけでなく、水分や土壌菌の代謝など、自分の腸内細菌になぞらえて小宇宙をつくりあげることが「土づくり」といえます。