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農業経営のブランディング

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先週から各地への出張がはじまりました。写真は別海に出張した際に通った阿寒横断道路から見た雄大な雌阿寒岳です。今さらながら北海道の自然に圧倒されます。

さて、今日は農業経営とブランディングについての私の考え方を書こうと思います。本来、技術屋の私ですが、ご相談を受ける多くは事業計画です。経営計画をしっかりとつくった上で、利益を出すためにどのような技術を導入したら良いか、あるいは良い技術を導入して得られた成果をどのように売上に結びつけるかというものです。その中に、「ブランド化(ブランディング)」という要望も多くあります。多くの人はこのブランディングをあまり理解していません。デザイナーに依頼してかっこいいロゴマークやホームページを作成して自己満足にひたっている人だけの人も結構いらっしゃいます。それは否定しません。でも、せっかく、ブランディングの取組みをするならば論理的にしっかりとやりたいものです。

農業に限らず、ものづくりをしている人たちにとって、お客さんが自分がつくったもの(商品)を手にとって買ってもらうというのは嬉しいものです。ものづくりの人たちばかりではなく、我々のようなコンサルタントでも選んで使ってもらいたいと思っています。

お客さんに選ばれるためには、どのような努力が必要なのでしょうか。選ばれるための条件を列挙するためには。まずお客さんが誰かを明確に知らなければなりません。もし、そのお客さんが自分の意志で商品やサービスを選ぶことが許されているならば、そのニーズを知ることで選択されるためにとるべき手段も明らかになります。

 選択されることは、他者と「差別化」することです。他者よりも優先的に扱われ、可能であれば1円でも高く評価されるためにとる行動をブランディングといいます。

多くの農業経営者は、産地を形成する生産者のひとりであり、自らブランディングを考える必要はありませんでした。ブランディングを考えるべきは産地間競争に勝って産地に利益をもたらすことに責任を持つ人であり、それは農協や、地域、生産組合ということになります。

一方、産地にあってユニークな生産方法をして個人で販売している経営者や、食品加工やレストラン等のいわゆる6次産業化をすすめている経営者は個人の責任でブランディングを考えるべきです。

ブランディングの成果は自らの事業の収益に貢献するものですが、ブランディングはお客さんに識別してもらうためのものですから、お客さんの目線で創造しなければなりません。売り場で目立ち、お客さんの目にとまるような「見た目」(デザイン)が求められます。

一方でいくら見た目がよくても、品質が悪いもの、偽りのもの、市場への供給量が安定しないものはブランディングしてもあまり意味がありません。ブランディングの基礎には他の人に真似のできない事実、たとえば農業経営の場合では土づくりへの取組みやトレサビリティなどのストーリーあり、お客さんがそれを手にし、食べた時の美味しさや科学的根拠に基づく健康機能性などの実用的な利点と優越感やホスピタリティなどの情緒的な利点が得られることが重要です。

ブランドとは「信用」の積み重ねでその価値を高めていくものであり、将来を見据えたブランドづくりのロジックを最初にかためてブレないように運用しなければなりません。

最近はなんとなくブランディングを手がけている農業経営者もいますが、最終的なゴールは何なのかを明確にしてからすすめないとただの自己満足に終わってしまいます。また、ブランディングすべきは何なのか商品なのか、サービスなのか、農場というロケーションなのか、あるいは経営者である人なのか、さまざまなケースが想定されます。

それ以前に、本当は経営環境を客観的に分析し、「今、何をなすべきか」を考えることがとても大切だと思います。