Reclaim the Earth!

スパーリング・パートナー的関係

IMG 3411

私にとって忙しかった2012年も残すところ6日となりました。先週までに年内の出張はすべて終了し、今週は札幌の事務所で散らかったままだったデスクまわりの整理や、今年の総括や、来年に向けた計画をぼんやりと立てつつあります。(上の写真は先週出張した金沢の兼六園の景色です。)

当社も今期は10期目。来年の4月には設立10周年を迎えます。毎日、毎日必死に動いていると時間の経過というのは本当に早く感じられるものです。”若手”として独立したはずなのに、この10年間のうちに、いつしか”若手”とは言えない年齢となり、歳相応の振る舞いに戸惑うこともありましたが、ようやく落ち着いてきた感じもあります。

農業コンサルティングという聞きなれない業種も10年間もやっているとそれなりに自分の呼称として板についてきたところもあります。名刺にも「農業コンサルタント」と書き入れ、「農業コンサルタントの鈴木善人です。」と名乗ることにもいつの間にか抵抗はなくなりました。

仕事の内容も近頃では、私の専門とする土づくりを中心とした農業技術から、農業経営の分野に徐々にシフトしてきています。農業経営の分野といっても財務や経理などのお金の部分というより、農業を軸としてどういう商売をしていくのかという経営企画に近い分野です。最近では6次産業化という言葉も農業現場に普及し、農業者が製造や販売などを手がける事例も多くなってきました。そんな相談も私のところに多く寄せられています。

私のバックボーンは本来「技術」なのですが、技術ではなく経営企画の分野での仕事が中心となるのは、「経営基盤がないところにはどんな技術も乗らない。」という事があると思っています。また、一般的な営農技術は公的な普及機関等から無償で入手できるというのもあります。私が提供するのは、顧客の経営課題を解決するための「特殊な技術」であり、一般的に広く評価されるものではなく、また他の経営体で同じ試みをしても再現性があまりないような技術です。挑戦と失敗(トライアル & エラー)を繰り返し、少しづつ技術力をつけていくといった類のものだと思います。

技術は経営課題を解決するものである。と考えれば、何が経営課題なのかわかってなければなりません。課題は目的を達成するための障害を取り除くべきものですから、経営の目的がはっきりしていなければなりません。
量をとりたいのか、コストダウンをしたいのか、品質を高めたいのか。それぞれの目的達成に対してクリアすべき課題が見えてきます。

つまり、課題が見えないうちは私には手の打ちようはありません。

昨年の冬にドイツとデンマークに農業コンサルティング研修に行きましたが、デンマークの普及センターのコンサルタントと話をしていて、「我々は農業経営のスパーリング・パートナーである。」と言ったのがとても印象的でした。こちらから一方的に情報や技術を提供するのではなく、相手があって、その挙動にあわせて対応しているうちに、技術力や経営力が養われていくのです。

私たちの仕事もお客様があってのもの。お互いに高めあい、収益を上げることのできるよう、今日もジャブ、クロス、ストレートと変幻自在なパンチを打っていきます。