Reclaim the Earth!

スピードと小回りを合わせ持つ零細無数のネットワークエレメントがイノベーションを起こす。

先日、ある機関から海外への事業展開についてヒアリングを受けました。現在開発中の製品を中国での展示会に出展しましたが、模倣品が出回ることはリスクではないのか?との問いに、「むしろ、チャンスです。」と反射的に答えてしまいました。

いや、実際、マネされるぐらいのモノじゃないと、イノベーションとは言えないのです。また、マネされることを防止することもほとんど不可能。天下のApple製品も模倣されているのですから。国際的なブランドの腕時計だって、バッグだって全部、マネされています。マネされることをリスクだと感じて、じっと抱え込んでいるうちに、チャンスは過ぎ去っていくと思うんです。

ウチのような無名な零細企業は、マネされたら、どっちが本家かわからなくなります。マネ上等と啖呵きっても、オリジナルの称号までを奪われたら、こっちがマネしていることになってしまうので、一応、国内での特許出願と、国際的な学会での発表はしています。

それでいいんです。

経営に必要なのは、スピードと小回りだと思います。これができないと失敗したときの傷口が大きく開くことになります。零細企業は些細な擦り傷が致命傷になることもあります。でも、怪我することを恐れて、外に出ようとしなければ、それはそれで、座して死を待つことにもなります。

スピードと小回り、これを持つ零細な企業や個人が、複層的なネットワークを組んだ時、とても大きくて丈夫な蜘蛛の巣になると思います。この網(ネットワーク)は、食べ物(仕事)をとるだけでなく、パラボラアンテナのように広く発信する役目も果たすことができます。オープンネットワークというか、オープンイノベーションというのか、これからの働き方の本質はここにあるように感じています。

ただし、ネットワークを構成する人材(エレメント)が、それぞれプロ意識を持って自立していなければなりません。エレメントとエレメントを結ぶ糸がお互い最適な張力を保っていないときれいな網をつくりだすことができません。誰かがその網にぶら下がろうとすると、その網はたちまち切れて、機能を持たなくなってしまいます。

ネットワークづくりの難しさは、エレメントの素質につきます。自分の利益ばかりを追求していてもダメだし、相手のためだけに奉仕していてもネットワークは崩壊してしまいます。「適度にお互いを引っ張り合う」感覚が非常に重要なのです。

これって、すごく難しいけれど、ネットワークが機能しているときの成果や、モチベーションの高まりは快感です。こういう環境からイノベーションは生まれると思うのです。

いま、日本にイノベーションを生み出す環境はありますか?

これからはエレメントたる小さな企業、個人がスピードと小回りを持って無数のネットワークを組むことがイノベーションの下地になると思います。結局は組織ではなく、人に帰属するんです。パフォーマンスの源泉は。

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