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カナダへつなぎ牛舎の搾乳ロボットを見に行った。

先週からこの木曜日まで、カナダのケベック州に出張してきました。

出張の目的は、Milkomax社を訪問すること。
同社は、つなぎ牛舎用の搾乳ロボットを製造、販売している会社です。

そのロボットとは、コレ 

カナダの東部、ケベック州やオンタリオ州には酪農家が多く、それも50〜60頭程度をつなぎ牛舎で飼養する小規模な家族経営が中心だそうです。日本ほどではないにしても、農業者の高齢化や担い手の問題はあり、これを解決するための手段として「つなぎ牛舎用搾乳ロボット」が最近になって普及しはじめました。それが、Milkomax社のROBOLEOがそれです。

ROBOLEOを導入しているいくつかの農場も見学させてもらいました。
1頭あたり移動時間を含めて1回の搾乳時間は約8分弱で1日3回搾乳するようセットされているのが一般的なようです。牛もよく慣れたもので、ロボットが背後に来ると自ら後ずさりでしてロボットにセットされ、搾乳されていました。これまでに大きな事故などもないとのことです。ロボットの設置に関して事前調査や取り付けや慣らしなどの周到なインストール・プログラムが用意されているそうです。多くのつなぎ型牛舎に後付けで設置することができるそうです。

搾乳ロボットに自動給餌機などを組み合わせることで、労働時間を大幅に減少させることができていました。訪問した牧場のひとつはひとりで1日6時間労働(主に監視業務)で60頭の牛を管理しているそうです。搾乳にかかる時間と労働から開放されたことで、牛をしっかりと見る時間もできたそうです。

つなぎ牛舎の多いケベック州周辺地域で、今後、ROBOLEOはさらに普及するでしょう。何より、同社では搾乳ロボットを売るという姿勢より、ロボットのある新たな働き方を提案し、酪農家をハッピーにする。というのが目的と言っていたのが印象的でした。

ところで、なぜ私が今回、同社を訪問したかというと、やはり、農業の現場でも、農業の現場こそ「働き方改革」が必要だと思ったからです。日本の少子高齢化はとめることができません。生産年齢人口はどんどん減少し、今のままでは働かない、働きたくても働けない高齢者がますます増えていくことでしょう。社会保障負担はますます増え、引退して年金をもらえるなんて保証はどこにもありません。

定年のない農業は、元気なうちは生き甲斐をもって働ける仕事だと思います。高齢者がこれまでの経験を活かしながら安全に安心して働ける環境をどう整備していくかが課題となります。そのために、低負荷な労働で、短時間で情報がしっかりと信頼できるシステムによって管理され、生産性を落とさない仕事の仕組みが必要だと考えたからです。

これに必要なのは、仕事のあり方や手順を見直し、ロボット化やIT化を推進し、働き手を「軽労化®︎(「軽労化」はスマートサポートの登録商標です。)」すべきだと思っています。つまり、さまざまな技術やツールを用いて「労働者の消費エネルギーあるいは労働負荷に対する生産性をいかに向上させるか」ということです。私が考える本質的で具体的な「働き方改革」です。

いままで慣れ親しんだ、身体で覚えた仕事の手順や仕組みを変えるのは用意なことではありません。現在の仕事は、おそらく長い時間をかけて合理的に組み立てられたものであると思います。しかし、例えば、今回、見てきたROBOLEOのような新しい機器を導入しようとした場合、いまの仕組みを抜本的に変える必要があります。Milkomax社が言う、最終的に顧客に喜んでもらうために、しっかりとしたインストール・プログラムがとても重要である。との言葉に強い共感を覚えました。