Reclaim the Earth!

新春のご挨拶

あけましておめでとうございます

2017年もよろしくお願い申し上げます。

 年をとるごとに時の流れが早くなるのは、人生全体の長さに対する単位時間(たとえば1年間)の割合が低下しているからで、今年50歳となる私にとっては1年間は1/50=0.02なわけで、25歳のとき(=0.04)と比べると、2倍になっているからだといいます。

私のようにただ馬齢を重ねている者にとっても、これは逃れられない法則であり、1日、1日をしっかりと噛み締めながら過ごすことの大切さを今さら気づくわけです。人生に無駄な時間などなく、いかに限られた人生という時間のなかで、経験から学び取って、今をよりよく生きる考え方、処世術について元旦から考えてみました。

日経新聞の「私の履歴書」は、いつも楽しみにしていますが、元旦から日産自動車社長のカルロス・ゴーン氏の連載が始まりました。この初回稿に、ピンとくるフレーズがありました。それがこれ。

「アイデンティティーを失わずに多様性を受け入れることだ」

私は、この精神を持っていれば、たいていのことは乗り切れると思っています。

アイデンティティーという言葉のニュアンスがわかりにくいかもしれませんが、私は「自己を定義する」ことだと思っています。仕事や家庭、社会、行動などに対して自分のスタンス、あり方をしっかりと持つことですが、これはいかに自分を客観視できるかということなのです。普段から意識していないとなかなかできないことです。

自分とは違う主義主張、考え方を持つ人に対して、どのように対応するか、しかし、自分のアイデンティティーとしては、どこまで受け入れ可能なのか、アイデンティティーを持っていれば合理的に決断することができます。

「多様性を受け入れること」は、アイデンティティーが確立されていないとできません。世の中には、これまでの”常識”で計ることができないことがたくさんあります。元旦の新聞を読んでいても、いまは時代の転換点にあって、かつての常識からの「断絶」(日経)、「分断」(道新)があると指摘しています。

時代の転換点にあって、新たな価値観を受け入れることができずに、居心地のよい古い価値観の中にいるのか、不透明ながらも可能性とリスクがある新たな価値観を受け入れるのか、そんな選択を我々は迫られているように思います。

最近、イギリスのEU離脱やトランプ大統領の誕生などが、ポピュリズム(大衆迎合主義)によるものとされ、問題となっていますが、アイデンティティーを持たない個が集団となって意志決定がなされる危険がいよいよ表面化しています。インターネットの爆発的な普及によってSNSを中心にポピュリズムによる意志が形成され、無責任に拡散されていくなかで、自分のアイデンティティに照らした本質を見極めるリテラシーが求められる時代になったと思います。

つまり、時代の転換点という不安定な時代のなかにあって、生き抜く答えが「アイデンティティーを失わず多様性を受け入れること」なんだと元旦から考えさせられたのでした。