Reclaim the Earth!

ポテトフォーラム

先週、12月6日に札幌全日空ホテルで開催されたポテトフォーラムに参加してきました。
基調講演は、一般社団法人 The Earth Cafe の理事であり、帯広畜産大学教授の谷 昌幸 先生です。

谷先生はウィスコンシン大学の植物生理学者のジワン・パルタ先生の研究に触発されて、カルビーポテトとの共同研究で馬鈴薯へのカルシウム施肥の研究を続けていて、毎年、3月には帯広畜産大学で研究成果の発表会が開催され、多くのセ生産者の関心を集めています。

これまでの研究成果では、ある適切な土壌状態のときにカルシウムを施肥することで、製品歩留まりが高まり、打撲抵抗性や生理障害などへの抵抗性も高まるというもので、いわばイノベーティブな結果を感じさせるものでした。

そもそも、馬鈴薯へのカルシウム施肥はそうか病発症の原因のひとつとされていました。それは炭カル等のカルシウム資材に投入によって土壌のpHが高くなるためで、長い間、馬鈴薯へのカルシウム施肥は農家から禁忌とされていました。それで、馬鈴薯が健全に成長するために必要なカルシウムが不足していました。

現場では、そうか病を発症させずにしっかりとカルシウムを吸収させるという技術が必要とされていました。ウィスコンシン大学の研究では、カルシウム資材として硝酸カルシウムが使われていましたが、日本で窒素分が含まれている硝酸カルシウムを使うと窒素施肥のコントロールが難しくなります。そこで注目が集まったのが硫酸カルシウム、そう、石膏です。

硫酸カルシウムは炭カルの100倍以上水に溶けるといいます。ジャガイモの塊茎が生長するタイミングで硫酸カルシウムを施肥することで、肥大する塊茎にしっかりとカルシウムを届けることができます。塊茎にカルシウムを届けるためには、種芋から伸びる根ではなく、地下茎から伸びる根をターゲットとする工夫が必要です。

このような研究成果が発表されると、生産者は硫酸カルシウムを施用すれば、歩留まりも打撲抵抗性もなくなって、品質や収量が向上すると解釈するのですが、どんな状態でも成果が出るわけではなく、効果を得るためのさまざまな条件ががあるのです。レジュメの中にはこのような書かれていました。

加工用バレイショ栽培における収量や品質を施肥改善や土壌改良によって向上させていくためには、適切な三要素施肥管理を徹底した上で、カルシウム施肥を積極的に進める必要

つまり、日頃の土壌分析をしっかりと理解し、適切な対応をしている畑でなければ成果は出ないということです。
講演の中では、三要素が過剰な畑がずいぶんあったと話されていました。肥料はコストです。お金をかけて、土壌のレスポンスを悪くしているような場合も相当ありそうです。

土壌分析を理解し、適切な施肥量に改めるだけでも相当のコストカットができそうです。