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北海道の農業ビジネス最前線!

3月23日に北海道大学の学術交流会館で開催された「創成研究機構 春休み特別企画 のりさんと科学を語ろう 第2回 北海道の農業ビジネス最前線!」にパネラーとして参加しました。
人気キャスターで北大客員教授の佐藤のりゆきさんが進行役となり、私を含め4名のパネラーがそれぞれ15分間の話題提供を行いトークセッションを行いました。

私以外は研究者の先生ばかりです。 私だけ直接的に北大に無関係な関係者となりました。いや、厳密に言えば、私が参加している株式会社スマートサポートは北大発のベンチャー企業だし、オフィスも北大の構内にあるので全く無関係という訳ではありませんが。

私に与えられたお題は「農業をビジネスにする」です。パネラーとして適任の人が見つからなかったらしく、お話をいただいのが直前でした。しかも、「農業をビジネスにする。」というテーマは非常に難しいものです。

ちょっと前のエントリにも書きましたが、農産物は電気や水道、ガスなどと同じようにコミュニティを維持するためのインフラであることが基本です。インフラは安価で安定的に供給されるべきであり、そう考えるとビジネスにすることと相反する部分が生まれてきます。
一方で農産物にも様々な種類や品質のものが高い物から安い物まで、いろいろ売られており、顧客である我々はそれを選択して購入することができます。 より顧客に選んでもらえるように、農産物は差別化され、ブランディング化されています。

農産物には、インフラである「食料」としての側面と、嗜好品としての側面があります。 今回の震災でも明らかになったように、「嗜好品」であっても有事の際には「食料」になります。

だから、農業をビジネスにする際に忘れてはいけないことは、インフラである「食料」生産という役割がしっかりと果たされているということだと思います。つまり・・・、

これは私が考える農業の本質的な機能なのですが、

・ 農地の持つポテンシャル(地力)を活かし、効率的かつ安定的に、そして高品質の農産物をより多くの収量を得ること。(収量)
・これと同時に、土づくりによって地力を維持し10年後も100年後も最高の収量を得ること。 (持続可能性)

このような基本的な条件をクリアしつつ、有事の際にはすぐに食料にすることができる嗜好品としての農産物生産をするのが農業ビジネスではないかと思うのです。

 

パネリストの先生方も、持続可能性という点では一致いるように思いました。今回は農学部関係の先生だけでなく、工学部の先生からも様々な意見をいただきました。農業にさまざまな専門家が関わり意見をすることはとても重要だと思います。農業関係者は真摯にその意見を聞く姿勢をつくらなければなりません。

私もトークセッションで発言の機会をたくさんいただきましたが、なかなか思いを伝えることができませんでした。

このようなシンポジウムでいつも思うのは、「農業」という対象をすべてひとくくりにして考えてしまいがちだということです。ひとくちに「農業」と言っても、北海道の農業と本州の農業は違うし、稲作も畑作も酪農も畜産もあります。農業経営者のやる気も違うし、ビジネスに対する考え方のスタンスも違います。「農業」は多様なのです。

ですから、相手のイメージしている「農業」と、こちらのイメージしている「農業」が違うと、まったく核心に触れることができません。どうも何かちがう。ズレている。そんな感覚が残ります。聴衆からの意見や質問についてもそうです。

立場の異なる多様な関係者が「農業」ということを議論しようとすることは、非常に大事なことですが、「農業」の本質的な価値を共有化しないと、いつまでも議論に齟齬が生じる可能性があるのだと思いました。

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